われもかう通信

(仮想起業日記 - 2013Q3)

「仮想起業日記」と自称しながら、 実はずっと(半年も)「失業者日記」か「読書日記」だった。 これではならじ、と発奮した訣ではないが、 ちょっとは起業関連の事も書き始める事に……

目次

2013-07-24 (Wed): 登記よりその後が大変
2013-07-06 (Sat): ようやく登記にこぎつけた

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2013-07-24 (Wed): 登記よりその後が大変

先回の狂歌は、むしろ「君」を「某氏」に、「が」を「は」にして、
われもかう 某氏がいいよと言ったから 文月ふづき 四日は 独立記念日
だろう。(掛詞が粋でしょ。 実は歴史的假名遣では「工房」は「こうばう」なので、この「かうぼう」では、 掛詞にならないのだが……。)あと、「某氏」はやっぱり「窓口の人」だが、 ちょっと失礼な気もする。

閑話休題

ともあれ、「某氏」から書類に問題が有るぞという電話は掛って来なかったので、 連休明けに法務局に印鑑カードをもらいに行き、それを使って、印鑑証明書、 登記謄抄本(本当は「履歴事項全部証明書」という全然違う名前)を作ってもらった。 結構お金(印紙代)がかかるが、所用枚数より若干多めに作ってもらう。

それらを使って、諸方に届出をするのだが、これがまた大変……。 ただ、これは当方が要領をよく知らなかったせいも有る。 税務署・都税事務所と市役所に出す「法人設立届け」は、 要は4枚綴りになっているノーカーボンフォームで、 いっぺんに書いて、 それぞれのページを渡して行くだけ、なのだった。 (最後の「控え」にそれぞれの受領印を押してくれる仕組。) 勿論、夫々に定款のコピーと登記謄抄本のコピーも添付しないといけない。

私は、それを知らず、市役所から始めたので、 あまり手慣れているとは見えない若い職員さんのご指導の下、 結構いい加減になってしまったと自分でも思うが、 彼女は大してクレームをつける事もなく、さっさと自分の分を剥ぎ取って、 残りを渡してくれた。

ちょっと心配だったが、驚いた事に、他の二箇所でも何の問題もなく OK となった。まあ「税金取り立て」のとっかかりを作るだけなんだから、 住所と電話番号さえ解れば良いのかな、という気もするが。

登記書類を作ってくれた司法書士さんの勧めるままに、 「無料作成サービス」で作ってもらっておけば、 もうちょっと見通しよくできたのだろうが、 でも、その作成はどこかの税理士さんがやるらしく、 それがなんだか面倒だな、と思ったのだった。 しかし、いずれにせよ税理士さんの助けは必要になりそうなので、 先に相談を始めた方が得策だったに違いない。

これらに加えて、ハローワークへの「再就職手当」の申請 (上記の届出と同様の書類が要る)と、免許証の更新をやったので、 二日間に亘って相当歩き回る事になった。八王子、日野、立川、 府中、高幡不動(満願寺)と地理的に散らばっている上に、 どの役所も最寄り駅からちょっと歩く距離にあるんだなぁ、これが。


2013-07-06 (Sat): ようやく登記にこぎつけた

ばたばたと結構大変だったので、ちょっとご勘弁を頂いて……
われもかう君がいいよと言ったから文月ふづき 四日が独立記念日
万智ちゃんも合衆国も一切関係ありません。 この「君」は法務局の窓口の人也。 元歌は勿論、薫くんの
ワレモコウ アンポダンゴを こねそこね
もしくは
シワよせて 煙草すうかや ワレモコウ
失礼しました。

小人閑居して易きに流れる

再就職が駄目なら駄目で何とかなるだろう……などという不真面目な奴には、 失業生活も然程悪くはない。 当初「忙しい忙しい」と零していたが、 それが「本を読むのに忙しい」に変ってくると、悪いどころか、 なかなか好ましいものに思えてくる。 (読書に関しては、この半年は San Diego 時代より充実していたかも。)

が、そんな事にかまけていると、起業準備は遅々として進まない。 しかも、読書に時間が取られるから、ばかりではなくて、 プログラムをしたり、 何かを勉強するのが億劫になってきているような…… 実際、DMS の再生は随分前からやろうやろうと思っていて、 とうとう半年余りも手をつけなかった。 いや実はちょっと触っては撃退されていたのだった。 (ようやく決心して再開してみると、三日程の四苦八苦で何とか目途がついた。)

この「見当がつかないもので四苦八苦するのが(やる前から)億劫」 というのがどうも良くない。 そのせいで、先の DMS の他にも HTTP サーバ、メールサーバを立てたい、GPGPU マシンも欲しい、 何より電磁界シミュレーターに目途を立てたい、 等とやりたい事は山とあったのに、 どれもこれも殆んど手がついていない。 なので、それら全部に目途が立ってから、なんていっていたら、 いつになるのか分らないので、ここで心機一転、 とりあえず登記を済ませてみようと……。

登記までは簡単

「会社を作るのは簡単、難しいのはそれで利益を上げる事……」 は実に至言である。実際、司法書士さんにお願いすれば、 登記まではとっても簡単。 私は、その名も 「格安代行センター」 というところに、文書の作製をお願いした。 ここだと、書類作製は 7,600 円。以前見た時より、さらに 2,000 円 くらい安くなっている。(が、今やもっと安いところもあるみたい。) ともあれ、申し込み、代金払い込みから、社印と文書が何と二日でできてきた。 書類一式揃える事もさる事ながら、 手順と法務局への対応を一覧表で教えてくれるのも大きい。7,600 円の価値は十分あると思う。 あと社印に 1万円あまり、 合同会社ならば、登記費用(印紙代)は 6万円で、結局費用は 全部で 8万円だった。

書類を受け取った翌日、 指示の通り資本金の振り込み(口座間の移動 :-) ?)、文書への捺印を終えて、 その日のうちに、近くの法務局へ持って行った。 窓口に行ってみると、自分の前に居る人は、一人だけ。 しかし、その一人がなかなか終らない。 結構すったもんだが有って(やりとりはとっても友好的だったけど)、 結局受け付けてもらえず、一旦取り下げ、持ち帰りになったようだ。 「うわ、大変なんだぁ」と、ちょっとビビったが、自分のは簡単に受け取ってもらえた。 「格安代行センター」さんが良い仕事をしている事に加えて、 合同会社だった事、約款が CD-R に入っていた事等がその理由だろう。 (閉所間際だったので、CD-R を読み込む暇が無かったのかも。) 何か問題が有れば携帯に電話してくれる、とかで、 何もなければ一週間後に完了予定で、謄本を取りに行けば良いらしい。

なあんだ簡単……しかし、手続や届出が本当に大変なのはむしろこの後らしい。

失業者を卒業

翌日、Hello Work へ行って手続きをした。 起業したらもう失業者ではなくなって、 手当ももらえないんだそうな。 それは当然だけど、具体的にどうなるのかについては、 「しおり」はかなり大雑把というか曖昧。 HW へ電話してもやっぱりよく分らず (電話に出たお嬢さんは「ちょっとお待ち下さい」の連発 :-) 結局「起業に専念すると決めた日」の前日までが、 失業状態と認定されるんだとか。 で、最初、その決心した日は「定款作製を依頼した日」 という説明だったのに、 結局は定款ができあがった日(書面にそれが書かれている) という事になった。なんだかかなり「ええ加減」だし、 定款云々が「起業に専念」とも言えないと思うのだが、 まあ良い事にする。

ともあれ、それまでの失業状態が認定され、再就職手当の日数が確定した。 (後者は登記謄本を HW へ持って行かないと交付されない。) これで目出度く失業者を卒業したが、しかし、これで引き込もっていたら、 ますますニートと区別がつかない事になるなあ。


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Taka Fukuda
Last modified: 2013-07-26 (Fri) 05:35:49 JST