MacOS on Basilisk (on Linux)

以前のこのページでは、まだまだ試行錯誤が続いていて、あちこち訂正して しまい、訳が解らない説明になりかけていましたが、今のところ かなり落ち着いているので、最新版の環境に基いて書き直す事にしました。

ただ、現状の安定動作は「sound やNetwork を使わない」 事を前提にしています(最後の現状 を参照) 。 内心忸怩たるものが有りますが、 現在安定しており、かつ十分実用になっているので、 敢えてこれらの安定化を図るガッツが有りません(^^; 従って、install の中の5) は省略するのが吉かも知れません。

能書き

Mac fun の中には、B5 サイズの PowerBook が(また)出る事を首を長くし て待ってる人も多いと思います。私もその一人。以前 PB540 を使っていま したが、これを担いで会社まで往復すると、テキメンに腰痛にたたられるよ うになり、大部前に持ち運ぶ事をあきらめてしまいました。

実は私が本当に使いたい Mac の application は、HyperCard くらいのものなので、Emulator でも間に合うんじゃないかと色々試行錯誤した 結果、BasiliskII にたどりつきました。これと Netatalk と組み合せると 結構快適な環境になります。が、ちょっと(というかかなり)不安定です。 しかも freeze する時は X をまきぞえに…、という嫌なコケかたをします。 (telnet ではいるための他のマシンがなければ、reset ボタンを押すしか なくなる。) あと、立ち上げている間中(iconize している間も)、CPU をほぼ100 % 占有します(dual CPU だと 100 % + 50 % くらい)。すなわち、普段は iconize しておいて、いざという時その icon をクリックすると、パッと Mac の画面が出るという具合にはな かなかいかない。

というのが、これまでの話。最新版の0.8 は 安定度が格段に向上して おり、しかも Full screen mode で立ち上げた場合 iconize した ら CPU 時間を殆ど食わない…。すなわち、常に立ち上げておいて、 必要になったら icon を click するだけ、 という使い方ができるようになりました。 私は狂喜乱舞です。

68k Mac からのROM の吸い出し、MacOS のインストール等が完了し ていれば、BasiliskII そのもののインストールは簡単です。 Bauer さんのところ にアップロードされている、17-Feb-2001 snapshot をダウンロードしてcompileされる事をお勧めします。

BasiliskII を使えるようにする

BasiliskII を使えるようにするには、BasiliskII 本体のインストー ルの他、Mac OS のインストール等他に何ステップか必要なので、詳 細は、神山文雄さんの「(LinuxでマルチOS) VMware の使い方」 (翔泳社)や、 Poseidonさんのホームページを御覧下さい。

こういう周到かつ網羅的な情報が有るのに、なんで屋上屋根を重ねる 事があるかという疑問がお有りでしょうが、

という条件の下で、 という主旨ですので、宜しければお付き合い下さい。

と、いう訳ですので、手順は、

  1. Linux マシンにNetatalk をインストール
  2. Mac上で、ROM image、Disk image を作る
  3. Netatalk を使って、上記二つのファイルをLinux マシンに転 送
  4. BasiliskII をインストール。(ここまでで、BasiliskII が使える ようになります)
  5. おまけ:Host/Mobile machine 向けにNetatalkを設定
という感じになります。簡単でしょ?(ステップ数はありますが、それ ぞれは比較的単純です。)それでは、順を追ってやっていきましょう。

1) Netatalkをインストール

開発が再開されてみたいで喜ばしい限りです。最新版は。1.5pre6 でsource forgeにあります。1.5pre5 の rpm パッケージをダウンロードしてきて (1.5pre6 は未確認) インストールして下さい。普段使っているホームディレクトリの下に (例えばnetatalk) というディレクトリを作り、

    ~/netatalk "YourHostName"
    
という一行を含む .AppleVolumes という名前のファイルを作って下 さい。これでインストールは終り。
    # /etc/rc.d/init.d/atalk start
    
で、netatalkが立ち上がります。

Mac で、ファイルシェアリングができる事を確認しておいて下さい。 うまく行けば、YourHostName という名前のホストが認識されて、 Linux box のuser name とpassword で共有が開始できるはずです。

2) Mac のROM とHDD のイメージファイルを作る

上記の資料を参考にして、ROM のイメージファイルを作って下さい。

HDD のイメージファイルは、Mac の"Disc Copy" ユーティリティを使っ て作ります。これは、BasiliskII にとっては普通のHDD に見える訳 で、この大きさがHDD の容量になり、この中には当然起動できる MacOS のシステムフォルダが無ければなりません。

私のように、小さなHDD をさらにまたパーティションに分けて使って いたケチな人はラッキーです:-) そのボリューム(パーティション)を そのまま Disc Copy でイメージファイルにすれば良いのですから ("ディスクのイメージを作成"メニューを使う)。 ここでのミソは、イメージファイルを作る先を、netatalk で共有し ているLinux box のHDD にする事です。

system folder を含むボリュームが 1 GB を越えているような人は、 自業自得で:-)、もうちょっとだけ、手間がかかります。選択肢は二 つ有って

最初のが神山さんが推奨されている方法です。実は私はこの方法を試した事が ありません。(インストールそのものはともかく、環境全体を一から 構築しなおすのは、ちょっとつらい。)

3) イメージファイルをLinux box へ転送

こうやって作ったファイルを、Netatalk を介して、Linux box へ転 送しておきます(要するに、Mac 側からは、そのファイルを YourHostName アイコンに drag、Linux box では、netatalk direcotry から copy commandで所望のディレクトリにコピー。) Linux box での置き場所はどこでも OK ですが、 /usr/local を/ と別のパーティションにしている方は、/usr/local の下のどこかの方が良いでしょう。(このイメージファイル達は、 "/" 以下のファイルより長生きの筈ですから。)

4) BasiliskII をインストール

上記の rpm パッケージを使ってインストールします。

BasiliskII command で、BasiliskII の設定ウィンドウが立ち上がり ます。ここでの必須の設定項目は

ここで、start ボタンを押すと MacOS が起動します。感動間違い無し!で す。

一応動く事を確認したら、full screen モードにしてみます。

5) ネットワークの設定 (注意: 現在私は MacOS 上でネットワークを使っていません。)

Basilisk 上の Mac もネットワークにつなげる事ができます。私は、現 在次のようにしています。

このように使い分ける事で、より便利な環境になったと自負していま す。
5-1) Host Machine でEthertap を使う
Host machine の上で、Linux source tree の drivers/net/ethertap.c を という変更を加えて、module をコンパイルし、インストールします (make modules_install)。depmodも必要かも。ここで
    # ifconfig tap0 192.168.1.2 arp
    
として、tap0 インターフェースを立ち上げます。

続いて、Basilisk を立ち上げ、control panel の のSerial/Netork でEthernet interface をtap0として、Start です。Mac OSが立ち あがったら、まず、TCP/IP control panel で自機のIP address を tap0 のIP addressと同じドメインに設定(192.168.1.7等)さらに、 router address をtap0 のIP address に設定します。

以上で設定は終り。chooser (セレクタ)で shared file を click す ると、YourHostName が候補として見える筈です。

5-2) Mobile Machine で sheep_net を使う

Mobile machine の seep_net はもっと簡単ですが、実はrpm で install しただけでは、これは使えません。BasiliskII のソースを 取って来て、 sheep_net.o というモジュールをコンパイルしてインストールする必 要が有ります。(詳細は、上記神山さんの本の183 ページをごらん下 さい。ガッツが有れば、BasiliskII のソースに付いてくる INSTALL ファイルを読むだけでも、充分にインストールは可能ですが。)

以上で、Linux box 上の Netatalk に、Linux box 自身の Basilisk と、 Mobile machine 上の Basilisk 両方からアクセスできるようになりまし た。これは便利です。

現状

前に本ページをアップデートした時はいろいろな問題をレポートしましたが、 現在は、非常に安定に使えています。実際、この一箇月程、常に BasiliskII を起動しておき、時折画面に呼び出して使う、 という使い方をしていますが、一度もクラッシュを経験していません。但し

などの条件で使っています。


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Takayasu Fukuda
Last modified: Sat Aug 3 13:15:42 JST 2002